いま「月経教育」が必要な理由

月経を正しく学ぶと子どもは自立する! 金メダリストなどもサポートしてきた著者が、 誰でも今すぐできる「月経教育」の始め方を伝授。

発達/発育

拓植大学国際学部准教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻修了。博士(スポーツ医学)。
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この結果からも、月経はアスリートにとって、何ら「邪魔」でネガティブな存在であるわけではないことが分かります。

と、ここまで読んで、「月経期間中はパフォーマンスが下がるんだけど......」と反発したくなった女性アスリートの方々もいらっしゃると思います。

結論を先に言えば、この実感も正しいものです。

アスリートのコンディションには、数値で測れる「客観的なもの」と、本人が感じている「主観的なもの」があります。

下記は、国立スポーツ科学センターによるトップアスリート630名の「主観的なコンディション」のデータです(※2)。

これによると、月経周期の中でコンディションがよいと感じる時期は、「月経数日後」であると答えた人が多いという結果となりました。

一方で、月経中がコンディションがよいというアスリートも少数ですが存在します。

こうした主観的なコンディションの状態は、本人にしか分かりません。

つまり、月経教育においては、子どもが自分の身体の状態を、保護者や指導者などの周囲の大人にきちんと伝えられるよう、日々チェックして「記録」することが大事だということです。

※1橋本有紀目崎登月経周期と女子ハンドボール選手のパフォーマンスの関連女性心身医学、6(1)、108-115,2001.
※2能瀬さやか、他女性トップアスリートの低用量ピル使用率とこれからの課題日本臨床スポーツ医学会誌2(1)、122-127,2014.

PROFILE

拓植大学国際学部准教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻修了。博士(スポーツ医学)。

鈴木なつ未

(独)日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター、筑波大学Research&Developmentコア、(公財)日本スポーツ協会で研究員として、長年にわたりトップアスリートのコンディショニングに関する研究やサポート等に従事。
2021年に拓殖大学へ。(公財)日本オリンピック委員会強化スタッフ、(公財)日本スケート連盟スピードスケート科学スタッフ、(公財)全日本柔道連盟科学研究部員等を務め、2008年北京、2012年ロンドン五輪では、スタッフとして現地で活動。
ジュニアからトップまで、これまで数多くの女性アスリートの月経に関するサポート活動をおこなってきた。

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拓植大学国際学部准教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻修了。博士(スポーツ医学)。
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