いま「月経教育」が必要な理由

月経を正しく学ぶと子どもは自立する! 金メダリストなどもサポートしてきた著者が、 誰でも今すぐできる「月経教育」の始め方を伝授。

発達/発育

拓植大学国際学部准教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻修了。博士(スポーツ医学)。
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いま「月経教育」が必要な理由

大人が月経を理解していないと、子どもは悩みを打ち明けられません!

月経が来てよかったと思えるようになることが月経教育の基本だと述べました。

そのための最大の秘訣は、大人が月経について正しくかつポジティブなものであることを理解し、相談しやすい関係を築いておくことです。

経験に基づいた個人的な実感ですが、好成績を残すトップアスリートほど、月経についてしっかりと理解しており、何か問題があればすぐに専門家に相談するなど、上手に付き合うことができているように感じます。

トップアスリートは、周囲に理解がある専門家が多く、オープンに相談できる環境にアクセスしやすいという面も関係していると思います。

一方、部活や地域のクラブ、サークルなどで活動する子ども、大学生の中には、月経についてなかなか周囲に相談しづらく、痛みがあっても誰にも言わずに我慢したり、悩みを抱え込んだりしているケースも多々あります。

私が講演や指導などでたまたま訪問し、専門家だと知ると、一気に不安を吐露する子も少なくありません。

しかし、本来望ましいのは、子どもが気軽に周囲の大人に相談できるという環境です。

特に、「我慢が美徳」「(無理をしても)頑張る気持ちが大事」という価値観をもつ大人には、「言わないほうがよい」「弱音を吐くと叱られる」と考え、子どもはなかなか言い出せなくなっているようです。

月経について相談できる、理解を示してくれる、改善の方法を示してくれる大人が一人いるだけで、子どもはとても安心できます。

本書をお読みの大人の方は、ぜひ、そのような存在を目指していただけると、とても嬉しいです。

一人で対応しようと思わなくても大丈夫です(特に男性)

ここで誤解してほしくないのは、すべての大人が、月経についての専門知識を身に付け、子どもからの相談に乗れるようになるべき、と言いたいわけではないということです。

どうしても月経について話をしづらいという方(特に男性の保護者や指導者)もいらっしゃることでしょう。

そんな場合は、自分一人で対応する必要はありません。

信頼できる専門家や、「女性アスリート外来」などの専門機関を紹介するなど、対処の方向性を示せるようになるだけで、子どもたちは格段に悩みを打ち明けやすくなります。

地域の専門家とつながれるよう、情報収集をしていただければと思います。

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拓植大学国際学部准教授。筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻修了。博士(スポーツ医学)。
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