「子どもの心の不調かも?」と思ったとき | 親が知っておきたいSOSサインと関わり方

「子どもの心の不調かも?」と思ったとき、親はどう向き合えばいいのでしょうか。てつなぎ掲示板に寄せられた声をもとに、公認心理師がSOSサインの見極め方や受診のタイミング、見守り方のヒントを解説します

健康/病気

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「子どもの心の不調かも?」と思ったとき | 親が知っておきたいSOSサインと関わり方

「死にたい」と言われたとき|言葉の重みとその背景を同時に受け取る

てつなぎ編集部
掲示板には、こんな投稿がありました。

子どもが「死にたい」「自殺する」という実況をグループでやっていたみたいで。自分たちの頃こんなことなかったから、不安になります。
(子どもの自殺やうつが増えてることについて/マナまま/40代)

子どもの口から「死にたい」という言葉が出てきたとき。本当に追い詰められているのか、構ってほしいのか、ただ口から出てしまっただけなのか。見極めようとすること自体が、親にとっては怖くて、しんどいですよね...。
田村先生
「死ぬ」っていう話については、“本気で向き合う”というのを、基本的に私は考えてます。あとはそう言った“背景”ですね。「なぜ言ったんだろう?」っていうのも大事。割と子供たちって、ちょっと嫌なことがあると、「死ぬ」とか「死ね」とか言いがちなことがあるから。

あと、学校に行きづらかったりとか、もうちょっと“言葉以外の評価”っていうのもしていった方がいいのかなと個人的には思いますけどね。

学校の先生に「本人こう言ってるんですけど、なんか学校でありましたか?」とかって聞いてみるのも一つだと思うし。

「かまってもらいたい」の一つの表現かもしれないけど、実際それで亡くなっちゃうケースもあるだろうから。
てつなぎ編集部
「死にたい」という言葉を、軽く流さない。でも、その言葉の背景も同時に見ていく。その両方を持っておくことが、この局面では大事なんですね。

関連記事|子どもが「死にたい」と言ったとき、親はどう対応すればいい?

「死にたい」は軽く受け止めてはいけない一方で、その背景にある孤独感やSOSにも目を向けることが大切です。公認心理師とともに、親ができる関わり方を考えます。

▶ 子どもから「死にたい」と言われたときの受け止め方と寄り添い方

次は、もっと日常に近いところの話です。「見守っている」つもりが「放置」になっていないか、その境目について田村先生に聞いてみました。

見守ると放置のあいだ|観察の解像度を上げるということ

てつなぎ編集部
掲示板に、こんな投稿がありました。

中学生の息子が起立性調節障害と言われて、血圧調整の薬をもらう予定です。無理に朝起こさない方がいいかなと思って、寝かせています。学校の遅刻や欠席が続いていて、これからどうなるのか心配です。どうサポートすればいいのでしょうか。
(最近子どもが朝起きられない/匿名/40代)

この投稿を読んで、胸がじんとしました。無理させたくない、寝かせておいてあげたい。その優しさの後ろに、「でもこのままでいいのか」という不安がずっとついてくる。その感覚、すごくわかるんです。 「見守っている」のか「放置になっていないか」。その境目が見えなくなってくると、子どもの心配だけじゃなくて、親自身のメンタルにもじわじわ影響が出てきそうです...。
田村先生
「どこまでが見守りで、どこからが放置か?」っていうところですよね。

“見守る”っていうのは、何かしないわけではないし。こっちは準備して待ってて「何かあればいつでもすぐ動けるぞ」っていうところが“見守り”だから、そういった関わりの方が大事なのかなとは思いますけどね。「寄り添ってるよ」ってのが伝わればいいと思うし。

その子の状況が今どこにいるのか、現在地を見て、じゃあ「今だったら声かけてみようか」「このお子さんだったらちょっと背中を押してみようかな」とか。

昨日より顔つき見て調子良さそうだったから、じゃあ「一緒に行ってみようかって提案してみようかな」とか、「昨日の夜は調子悪そうだったから無理させられないな」っていう。

そうやって、“観察”の解像度を上げて“支援方針”を“その場”で変えるってことが、「見守り」なのかなとは思いますけどね。
てつなぎ編集部
なるほど...。「観察の解像度を上げる」。今日の顔色、昨夜の眠り、今朝の食欲。そういう“小さな変化”を見ながら、「今日は声をかけてみようかな」「今日は黙っておこう」と、その都度判断していく。それが「見守り」の実体なんですね。

「何もしていない」んじゃなくて、「いつでも動ける状態で、待っている」。その違いが、子どもにも伝わるんじゃないかなと思いました。

迷っているということは、向き合っている証拠|親御さんへのメッセージ

てつなぎ編集部
「答えが出ないまま、ただ迷い続けている」という状況、今この記事を読んでいる方の中にも、きっといると思います。

「心の病気かも?」「鬱症状かも?」「精神疾患なのかも?」と感じながら、でも確信が持てない。何かしてあげたい、でも何が正解かわからない。

そういう方たちへ、田村先生に最後のことばをお願いしました。
田村先生
“迷ってる”からこそ、...なんて言うんだろう...。それが一つの“愛情表現”なのかなと思いますけどね。「一生懸命関わってあげたい」っていう気持ちがあるからこそ“迷ってる”っていうのはとても大事なことなのかなとは思います。

それを貫きながら、時に専門家に頼って、子どもへの関わり方やいろんな選択肢を増やしてもらえるといいのかなとは思いますね。

“極端に白黒つけない”ってことも大事かなとは思いますけどね。お子さんへの関わり方やスキルとか、“解像度を上げる”っていうのは大事かな。

追い詰めていいことはないので。“煮詰まる”とはまた別の話ですからね。
てつなぎ編集部
「迷っているということは、向き合っている証拠」。田村先生のこの言葉が、胸に残りました。

診断名がわからないから迷うのではなく、その子をちゃんと見ているから迷う。その迷いは、「愛情」なんですよね。 すぐに正解を出そうとしなくていい。すぐに白黒つけなくていい。子どもの「今」を観察しながら、関わり方の引き出しを少しずつ増やしていく。そして時には専門家に頼る。その積み重ねが、子どもに「そばにいるよ」と伝わっていくんじゃないかと思います。

このインタビューコラムが、少しだけ肩の力を抜くきっかけになっていたら嬉しいです。

田村先生、今日はありがとうございました。

この記事を読んで、どんなことを感じましたか?

「これって心のSOSなのかな」
「病院に行くべきなのかな」
「この関わり方で合っているのかな」

子どものことだからこそ、答えが出ないまま迷い続けることもあります。

てつなぎ掲示板には、同じように悩みながら子どもと向き合っている親たちの声が寄せられています。

「うちだけじゃなかった」と感じられることもあるかもしれません。よかったら、のぞいてみませんか。

▶ てつなぎ掲示板を見る

※ 本記事は、インタビューをもとに編集部が構成したものです。記事内の情報は一般的な知識の共有を目的としており、個別の診断・治療の代替となるものではありません。お子さんの状態についての判断は、医療機関や専門家にご相談ください。
PROFILE
公認心理師。教育現場でのカウンセリングを中心に、中学校や行政機関、地域の相談窓口などで子ども・保護者・大人の支援を行い、スクールソーシャルワーカー、精神保健相談員としても活動。教育・福祉・保健医療・メンタルヘルスの現場を横断的に経験し、現在は都内の学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)でスクールカウンセラーとして活動中。

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