Xで1億PV超えの夫婦エッセイ!「夫婦が試される男と女の現実」
「結婚を人生の墓場にしない可能性を見出したい」をモットーに夫婦運営を続けてきた、 10年に渡る壮大な実験の記録がここに。 Xで大バズり連発!共感と衝撃が止まらない、話題の夫婦エッセイ!
夫婦関係
家事・育児のシェアは、なぜ嫌悪感ばかり生んでしまうのか?悪気がないのに衝突する日々のモヤモヤを、感情論ではなく“結婚は会社の運営“、パートナーは“共同運営者“の視点で解決。お互いにイライラせず、家庭をスムーズに回す知恵を徹底解説します。
下田 美咲さん著書『株式会社 夫婦』から一部転載・編集してお届けいたします。
夫婦が試される男と女の現実
探偵ごっこ癖は「結婚は人生の墓場」の入り口
私には、「嘘を暴いてやろう」という発想がない。昔から。
一般的に、恋人に不信感を抱くと嘘を暴こうと躍起になる女性が多いけど、それでいうと私には「積極的に真実を探ろう!」みたいな価値観がない。
理由はいくつかある。
まず第一に、たとえば彼氏から嘘をつかれている状況があったとして、嘘をつくってことは、相手の中には「この人にこう思われたい」っていう願望があるってことなんだよね。「この人からこう思われると困る」って考えているから、嘘をつく。
つまりは、どうでもよくないってことで。
「まだこの女から好かれていたい」って考えているし、「これからも付き合っていきたい」って思っているし、だからこそ嫌われないように必死になっていて、嘘までついてる。
人生は基本的に、自分がその場にいなかった空間で起きたことや、他人の心の中の出来事については確認ができない。
「どう思ってたの!?何を考えているの?!」って詰問して、何かコメントをさせることはできるし、状況証拠のようなものも、パズルのピース程度の情報のカケラはかき集めたりできるけど、結局どれだけのリサーチをしたところで、その場に居合わせた場合ほど正確に、厳密に、把握するっていうのは絶対に不可能なことだし、その時に相手がどんなことを思ったり考えたりしていたかなんて、もっと知りようがないんだよね。
本人に確認して何かを吐かせたところで、言っていることが本当のことなのかどうかは知りようがない。
それに比べて。嘘をついている、っていうのは確かな現実で、真実の一つで。
この人、取り繕おうとしてるな。私に嫌われたら不都合だと思ってるな。なるべく別れたくなくて、これからも一緒にいたいらしい、っていうのは紛れもない真実。
って考えた時に、そもそも私は「この人は嘘ついてるのだろうか」っていちいち疑う発想自体がないのだけど、仮におせっかいな部外者から「あなたの彼、嘘ついてるかもよ?!嘘だったらどうなの??」と詰められたとして、その場合に私が思うことは、もしも彼からの「今日どこで何をしてきたのか」という報告に嘘が混じっていたとして、本当はどこで何をしていたのか、どんな気持ちでそんなことをしていたのかは確認しようがないけど、少なくとも彼が、「美咲ちゃんには『俺は今日こう過ごしていた日だった』と認識してほしい!!」と考えていることは、確かな事実で。
確定的なことは、彼は私から嫌われたくないらしいこと、振られたくないし、怒られたくないし、まだまだ「この女の彼氏でありたい」と、そのポジションに執着しているし、意欲的であること。それだけはよく分かるから、私としては「だったら、まあ、いいか」と思う。
どれだけ事実確認をしたところで、その時にどんな気持ちだったかは調べようがないし。仮にセックスをしていたとして、めっちゃノリノリで萌えていたのか、実は早々に萎えていたのか、ああやっぱり彼女が最高だ、と思っていたのか、その辺りは全く分からないし。
浮気まがいな行動を取りながら「うわーつまらない」「ミスった、早く帰りたい」と思って悔やんだり、現実的には目の前の男の人と楽しくやりながら「クソつまらない男だな」と内心では白けていた経験なんて、いくらだって私自身あるから。
結局のところ、目の前の恋人が自分に嘘をついているのかどうかは、いつだってよく分からないけど、何かを取り繕ったり、ごまかしているのだとしたら、それは少なくとも、何かを経て下した結論が「ともかく俺はこれからも君の彼氏でありたい」ということだった、ってことだから。
目の前のその人が、今後も自分の恋人でいたがってることだけは紛れもない真実だから、好きな男の人が今日もそんな風に思ってくれてるなら嬉しいよね。っていうのが、まず大きく一つ。
その他の理由としては、嘘を積極的に暴くとか、真実を全力で知ろうとするってことは、あえて別れるキッカケを生み出す特になるわけで。
もし常日頃から相手に不満を抱えていて、別れるキッカケ(振る口実)を探しているなら、わざわざ暴く意味もわかるけど、そうじゃない場合に暴くメリットがなさすぎる。
大好きで、これからもずっと一緒にいたくて、幸せを与えてくれてる相手だったら「こんな日々が末長く続きますように!!」って気持ちだから、わざわざ別れるリスクを高めるようなことを自分からしようという気に全然なれない。
だって、あえて探らないと発覚しないような事実って、自分とその人の世界にとくに実害を出してないってことだよね。
色々と実害が出ていて、なんだか付き合っていくのがストレスになってきていて、もっと他の人の恋人になった方が幸せになれる気がする・・・別れたいなぁ・・・って思いながら別れ話の材料を集めるなら分かるけど、実害が出てもいないのに必死になって探って探って怪しい点を炙り出すって、自分で自分の幸せを壊しにいっている。
逆に私からすると、そんなにも必死になって、現状誰にも邪魔されていない幸せを自分の手で壊しにかかる意味が分からなすぎる。
よっぽど閉鎖的に生きてる恋人じゃない限り、他人にリップサービスを使うことはあるだろうし。空気を優先して本音と少し違うコメントをしている場面だってあるだろうし。
表面上の事実(起きた出来事)だけを見たら怪しく感じることや悲しくなることが起こっている可能性って、いくらでもあると思うんだ。
私のLINEのトーク履歴にしたって、夫にコッソリ見られたら、誤解を招きそうなことや嫌な気持ちにさせかねない他人とのやり取りがいくらでもあると思うけど、実際の私の心の中には、彼を傷つけるような考えや裏切るような感情は存在していないし。
だから、もし勝手にスマホを見られて、ああだこうだと言われたとしたら「そこで傷つかれても困る!厄介!メンヘラじゃん!」って思って、嫌いになるキッカケになる。そこまでの干渉は、私の人生の可能性を狭めるから厄介だ。
ということで私はね、今大好きで一緒にいて幸せならば、あえて探偵ごっこのようなことをして、わざわざ不都合な事実を炙り出して、目の前の幸せを壊したくないよ。
探って炙り出したような情報のカケラよりも、相手が自分に対して嘘をつく判断をしたっていう現実の方が、よっぽど真実だから。今後のことを決める判断材料としては、そっちの方が普通に有力なんだよなって思ってる。
ただ、結婚の場合は恋愛と違って契約だし、財産とか色んなものをシェアしていて相手の生き様が自分の人生のリスクになる間柄だから、運命共同体としての厳しさを持つ必要が出てくるし、明らかに不審な行動があれば、取り返しがつかない問題に巻き込まれないためには早めの事実確認が大事だったりもするけど。
とはいえ結婚して10年。
これまでとくに妻として探偵ごっこに乗り出した場面はなく、嘘を暴くためにスマホをチェックするような一幕もなかったのは、ベースにこの価値観があってのことのような気はしているし、事実より、真実より、自分に向けられている気持ちに、私はいつだって一番興味があるし、夫にもそうであってほしいと願っている。
表面的な事実にこだわりすぎる人は過干渉になりがちで、それはまさに「結婚は人生の墓場」の入り口。
エッセイスト
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