歴史はいつだって、詰んだ瞬間からはじまる!――日本史の詰んだ人図鑑
日本史の有名人たちが直面した「人生最大の詰んだ瞬間」と、そこからの「大逆転劇」に注目。 コミカルなイラストが満載で、すべての漢字にふりがながふってあるから、歴史がニガテな子でもスイスイ読めます。 2ページ読み切りで、朝読書にもぴったり。 読み終えたときには、なんだか前向きになれる一冊です。
教育
「あ、詰んだ・・・・・」
だれにだって、そう思うピンチの瞬間がある。
自分だけ友だちにさそわれなかった。
大事な試合に負けてしまった。
親にウソがバレて怒られてしまった。
「もうダメかもしれない」と思ったとしても、
それは
君だけじゃない。
いつも笑っているクラスのあの子も、テレビに出ている人気者のあの人も、
じつは、だれにも言えないようなピンチがある。それは、歴史に名を残したヒーローたちも同じ。
親も家も失って、遠い土地にひとり流されてしまった少年。
海外留学で心を病んでしまった教師。
外国で奴隷として売られてしまった若者。
「詰んだ」ように見える彼らは、そこで終わらなかった。
どん底の中で希望を信じ、けっしてあきらめなかった。
少年、源頼朝は鎌倉幕府を開き、
教師、夏目漱石は国民的作家になり、
若者、高橋是清は総理大臣にまでのぼりつめた。
そう、
ピンチは終わりなんかじゃない
むしろ、その「詰んだ」瞬間こそが、
逆転劇への第一歩だったんだ。
はじめに
歴史に名を残した偉人たちが、どんな人生を送ったか知っていますか?
たとえば、源頼朝や夏目漱石はどうでしょう。
歴史の教科書には、「頼朝は平家を倒して鎌倉幕府を開いた」「漱石は名作を多く生んだ、日本文学を代表する作家」、そんなふうにすごい功績だけがならんでいます。
まるで、生まれたときからヒーローだったみたいに。
でも、彼らが最初から特別だったわけではありません。
立ちあがれないほどつらいピンチが何度もありました。
頼朝は13歳で親を亡くし、知らない土地に流されました。
漱石は留学中に心のバランスをくずし、生きることすら苦しくなった時期がありました。
それでも彼らは進み続けました。
頼朝は20年という長い時間を耐えながら仲間を集め、鎌倉幕府を開きました。
漱石は自分の弱さと向き合い、言葉の力で人々の心を照らす国民的作家になりました。
勇気を出して行動した人。仲間を信じた人。
だれも思いつかないようなひらめきで道を切りひらいた人。
ピンチを逆転に変えたきっかけは人それぞれですが、彼らにはひとつだけ共通点があります。
それは、けっしてあきらめなかったということ。
これから先、君にもピンチがやってくるかもしれません。
何をやってもうまくいかない日。
くやしくて眠れない夜。
心がポキッとおれそうなとき。
そんなときは、ぜひこの本を開いてみてください。
「あの人なら、どうしたかな?」「このピンチをどう乗り越えよう?」
そう思えたとき、すでに君はヒーローへの逆転劇を歩みはじめているはずです。
この本が、ピンチにおちいった君の力になりますように。
第1章 やらかしちゃって詰んだ人
前田利家
信長のお気に入りを斬って即アウト!
勝海舟
船長なのに船酔いでヘロヘロになる!
小田氏治
戦国最弱王! 城を9回も奪われてしまう!
高橋是清
留学先で知らないうちに奴隷にされていた!
伊達政宗
秀吉の命令を無視し続けて命の危機!
明智光秀
おもてなし大失敗! 大目玉をくらう!
藤源隆家
平安時代のヤンキー、元天皇に矢を放つ!
坂本龍馬
借り物の蒸気船で事故って大ピンチ!
第2章 生まれのせいで詰んだ人
源頼朝
おぼっちゃまからニート生活に転落!
武田信玄
悪行ざんまいの父! みんな我慢の限界に!
細川ガラシャ
ヤンデレ夫に支配され、限界ギリギリ!
二宮金次郎
災害で家を失った少年に大飢饉がせまる!
春日局
裏切り者の娘の次は、裏切り者の妻になる!
源義経
生きのびる条件は、お坊さんになること!
日野富子
勝ち確人生のはずが、働かない将軍と結婚!
第3章 希望を失って詰んだ人
西郷隆盛
なにもかもがイヤになり、海に身を投げる
夏目漱石
メンタルがズタボロになって強制帰国!
真田幸村
田舎にとじこめられ、老いるだけの日々・・・・・・
滝沢馬琴
大ベストセラーを執筆中に失明してしまう
藤堂高虎
理想の主君はどこ? 8人の主君に仕える!
北条政子
将軍の妻になったのに、次々と家族を亡くす
豊臣秀吉
留守中に主君の信長が殺され、ぼう然・・・・・・
鑑真
日本行きの挑戦が5回失敗! ついには失明
足利尊氏
天皇を怒らせたショックで寺に引きこもる
第4章 時代の流れで詰んだ人
和気清麻呂
ありえない名前に改名させられてしまう!
黒田官兵衛
親友を説得しにいって監禁されてしまう!
行基
民衆のために動き、朝廷にめっちゃ怒られる!
清少納言
一生ついていくと決めた推しの一家が大没落!
立花宗茂
秀吉オキニの猛将、まさかのフリーター落ち!
北条時宗
モンゴル軍には武士の戦い方が通用しない!?
蔦屋重三郎
ギリギリを攻めすぎて、財産半分没収!
篤姫
江戸城ピンチ! 故郷の薩摩が攻めてくる!?
第5章 追いつめられて詰んだ人
紫式部
陰キャでぼっち! 数日で実家に逃げ帰る!
近藤勇
絶体絶命! 2人で20人超に立ち向かう!
織田信長
妹の夫に裏切られ、はさみ撃ちにあう!
島津義弘
戦場にとり残され、まわりは敵だらけ!
ジョン万次郎
漁に出て遭難し、無人島でおしっこを飲む!
毛利元就
4000人VS20000人の超格差バトル勃発!
平清盛
出世をねたまれ、留守中に朝廷ジャック!
細川幽斎
本能寺と関ヶ原。逃れられない2度の試練!
第6章 ウソかホントか詰んだ人
徳川家康
信玄の強さにビビり、うんこをもらす!?
卑弥呼
戦乱続きの時代、責任重大な連合国の王に!
甲斐姬
城主の留守中、水攻めの猛攻にあり!
中大兄皇子
このままでは国がのっとられてしまう!
上杉謙信
待ちぶせされていた! 最強武将がけっぷち!
ヤマトタケル
サイコパスすぎて、父から嫌われてしまう!
聖徳太子
この戦に負けたら、日本仏教消滅の危機!
第1章 やらかしちゃって詰んだ人
うっかりしていた! やりすぎちゃった! 油断していた! 軽いノリでやったことやちょっとしたミスで大ピンチになることがあります。
たった一回の失敗で命を落としそうになったり、立場を失ってしまったり。
でも、失敗したからといって、それでゲームオーバーじゃありません。
自分でまねいたピンチだからこそ、はね返そうとがんばれたりします。
それに、がんばる姿ってすごく人間らしくて、とてもカッコいいのです。
前田利家|詰んだ
信長のお気に入りを斬って即アウト!
男性の平均身長が160㎝程度の時代に、180㎝を超える長身だったという前田利家。
少年時代から伝えていた織田信長はド派手 な格勝が大好きでしたが、利家もまた派手好きな「かぶき者」でした。
見た目のとおりケンカっ早く、ヤンキーそのもの。
周囲でもかなり目立つ存在でした。
利家は戦場では「槍の又左」と呼ばれた槍の名手で、初陣では赤くぬった派手な槍で敵の首をとり、信長に「犬千代の肝には毛が生えている」と言われるほどの恐いもの知らず。
6mを超える槍をふるって戦ったとも言われています。
信長直属の精鋭「赤母衣衆」のメンバーにも選ばれていた利家は、このままいけば出世街道まっしぐら……のはずが、ヤンキーらしい短気さを発揮して大変なピンチにおちいります。
利家は笄という髪を整える道具を大切に持ち歩いていました。
かぶき者にとって見た目は非常に大事なのです。
あるとき、拾阿弥という茶坊主が笄を盗み、さらに利家をバカにしました。
この笄は利家の相思相愛の妻・まつにもらった大切なもの。
信長に訴えますが、この拾阿弥は信長にかわいがられていた茶坊主だったのでおとがめなし。
どうにも怒りがおさまらない利家は、あろうことか信長の目の前で拾阿弥を斬り殺してしまったのです。
お気に入りを斬殺された信長は「利家を殺せ!」と激怒しますが、家臣たちが必死になだめ、利家はなんとかクビになるだけですみました。
時代
戦国時代~安土桃山時代
生没年
1538年~1599年
出身地
愛知県
肩書き
戦国武将
前田利家|大逆転
勝手に戦に参加!大活躍して許してもらう!
命だけは助かりましたが、仕事がなければ生活はできません。
どうしたら信長に許してもらえるのか。
考えた利家は、「戦で活躍すればいいじゃん!」とひらめきます。
ただ、クビになっているため参戦することは本来許されません。
そこで利家は隠れて勝手に「桶狭間の戦い」に参加し、なんと敵の首を3つもとりました。
でも信長は怒ったまま。あきらめない利家は「次勝ったらワンチャンあるかも!」と翌年の戦いにもまたことわりなく参戦。
怪力の持ち主の首をとって信長に差し出しました。
ちょっとのことではくじけないねばり強さと、幼名のとおり犬っぽくて憎めない忠実さ。
その姿が信長の心を動かしたのか、利家はついに許しをえました。
その後の利家は信長の信頼を完全にとり戻し、大出世を遂げます。
能登 一国23万石の大名になり、「本能寺の変」の後は若いころから家族ぐるみのつき合いがある友人の豊臣秀吉に仕え、加賀百万石の大大名に。
秀吉の死後も五大老のひとりとして豊臣政権を支えました。
ところで、利家はドケチな人としても有名で、戦場にそろばんをもちこむほどでした。
クビになってから信長に許されるまでの2年、よっぽど生活に苦労したのでしょう。
戦の前にも金ばかり数えて出陣をしぶるので、「そんなに金が好きなら戦で金に槍をつかせたら!?」と妻に嫌味を言われたことも。
でも、そんなドケチ精神だったからこそ、加賀百万石といわれる豊かな藩が続いたのかもしれません。
別名
犬千代、槍の又左
経歴
武勇に秀で、「槍の又左」と呼ばれた名高き武将。織田信長や豊臣秀吉に仕え、「加賀百万石」の大国の基礎を作った。
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