ニューヨークの専門医×最新論文で解き明かす!――体にいいのはどっち?
NYの専門医×最新論文で解き明かす、アクティブに働き続けるための世界の新常識100。
食事
「結局、何を食べればいいの?」「体にいいって本当?」と迷っていませんか。ネットや噂に惑わされず、確かな研究データに基づいた正しい知識を分かりやすく解説。日々の食事や習慣のモヤモヤを解消する健康バイブルです。
山田 悠史さん著書『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』から一部転載・編集してお届けいたします。
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「赤いお肉に発がん性が」と聞けば、誰しもが不安になるでしょう。
このことについて、がん研究の世界的な専門機関である「国際がん研究機関(IARC)」が、現在わかっている科学的な証拠をまとめて、見解を示しています。
それによると、ハムやソーセージなどの「加工肉」は、「発がん性がある」と分類されています。
これは主に、大腸がんとの関連を示す証拠が十分に集まったためです。
また、牛肉や豚肉などの「赤いお肉」は、加工肉ほどではないものの、「おそらく発がん性があるだろう」と位置づけられています。
ただし、これは「食べたら必ずがんになる」ことを意味するわけではありません。
リスクは、食べる「量」や「頻度」と深く関係していると考えられています。
例えば実際に、赤い肉を食べる量が1日あたり100gずつ、ベーコンやソーセージなら50gずつ増えるごとに大腸がん、乳がん、肺がんなど複数のがんリスクが11〜51%上昇するという報告があります。
このため、アメリカがん協会などの専門機関は、がん予防の観点から「赤いお肉や加工肉を食べる機会を、少しずつ減らしてみては」とすすめています。
過度に怖がる必要はありませんが、長く健康でいるためのひとつの知識として、食生活を考える際に頭の片隅に置いておくと、よりよい選択ができるかもしれませんね。
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カルシウムを摂るなら、牛乳より、しらすやめざしのような小魚がいい?
昔からよく比べられますよね。
しかし、実は「どちらかが一方的に優れているわけではない」というのが現在の答えになると思います。
カルシウム補給のことを考えるなら、大切なのは、食べたり飲んだりした後にどれだけ効率よく体に吸収されるか、という「吸収率」かもしれません。
これまでの研究によれば、牛乳のカルシウムも、骨ごと食べる小魚のカルシウムも、私たちの体への吸収率はどちらも非常によく、そこに大きな差はなさそうだということが分かっています。
では、何を基準に選べばよいのでしょう?それぞれの長所を見てみましょう。
牛乳の魅力は、なんといってもその手軽さではないでしょうか。
いつでもゴクゴク飲めて、安定してカルシウムを補給できます。
一方、小魚は多才で、カルシウムだけでなく、私たちの体にとって大切な鉄分やビタミン、良質な脂なども一緒に摂ることができるでしょう。
「カルシウム補給にどちらが優れているか」ではなく、「自分の食生活に合っているか」「どちらが身近か」などで選ぶのが正解のようです。
両方を上手に取り入れていくのが、賢い方法かもしれません。
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MCTオイル、健康やダイエットに関心のある方の間で、よく耳にするかもしれません。
実際、「体によい油」として注目されています。
MCTオイルは、中鎖脂肪酸オイルの略で、一般的な油(長鎖脂肪酸)よりも消化吸収が早いとされています。
MCTオイルの最大の特徴は、一般的な油に比べて、すぐにエネルギーとして燃焼されやすい「即効型エネルギー」であることです。
そのため、体に脂肪として蓄積されにくい、という性質を持っています。
実際にこの性質のため、MCTオイルは、主に肥満やメタボリックシンドロームなど、特定の健康課題を抱える人たちを対象に研究が進められてきました。
そうした方々が、食事の油をMCTオイルに置き換えることで、体重や体脂肪の減少、代謝の改善といったよい結果が報告されています。
しかし、もともと肥満などの問題がない人が「MCTオイルを摂ることで、さらに健康が増進される」ということは、今のところ示されていません。
例えば、悪玉コレステロールを減らす効果があるのかを検証したところ、そのような効果は確認できませんでした。
また、巷で言われている「集中力アップ」や「美容効果」にも十分な証拠はありません。
さらに、どんなによいとされる油でも、摂りすぎは禁物です。
MCTオイルも、一度にたくさん摂るとお腹がゆるくなったり、腹痛を起こしたりすることがあります。
また、加熱してしまうと従来の油より煙が発生しやすいことも知られており、注意が必要です。
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ここニューヨークの診察室で「便秘解消法」を患者さんに尋ねると、プルーンやコーヒーに次いで多い回答がヨーグルトです。
ヨーグルトには、本当に便秘の解消効果があるのでしょうか。
これまでの研究を紐解いていくと「ヨーグルトは便秘に効果が一定レベルでは期待できる」と言ってよさそうです。
特に、「ビフィズス菌」などの特定の菌(プロバイオティクス)を含むヨーグルトは、お通じの回数を増やしてくれることが、複数の研究で報告されています。
ただし、研究によって使用されるヨーグルトが異なったり、研究自体が小規模だったりといった理由で、決定的な証拠とは言い切れないかもしれません。
このため、つらい便秘の治療では、しっかりと下剤、便秘薬を使う必要があります。
ヨーグルトは、そうした治療を基本として、補助的な役割を発揮してくれるでしょう。
では、どれくらい食べれば効果が期待できるのでしょうか?
多くの研究で、1日に100〜200g(小さめのカップ1〜2個分)のヨーグルトを毎日食べている人で、効果が見られています。
この量はひとつの目安になるでしょう。
なお、ヨーグルトの効果は、含まれる菌の種類や、その人との相性によっても変わります。
いろいろな種類を試しながら、自分のお腹に合ったヨーグルトを見つける必要がありそうです。
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腸の健康を考えるとき、必ずと言っていいほど名前が挙がるのが、ヨーグルトと納豆。
この二大健康食品、「どちらがより腸によいのか」というのは、多くの人が気になるテーマかもしれません。
実は、今のところ「どちらか一方が優れている」という、結論は出ていません。
これは優劣を競うというより、それぞれが違うタイプの「選手」と考えるのがいいかもしれません。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、腸内の善玉菌を応援してくれる心強いディフェンダー。腸の調子を整える働きが期待されています。
細菌で起こる腸炎やアレルギー性の疾患に対する有効性も期待されていますが、実際の効果ははっきりしないものが多く、あってもそこまで大きな効果は示されていません。
一方、納豆に含まれる納豆菌は、胃酸にも負けないタフさが自慢のストライカー。
生きたまま腸まで届きやすい、という特徴を持っています。
体への影響という意味では、納豆を含む発酵食品の摂取は、健康増進や長寿との関連が指摘される一方、胃がんリスク増加との関連を示唆する研究もあります。
ともに因果関係は明確ではありません。
とすれば、最も大切なのは「好み」や「相性」でしょう。
私たちの腸内環境は一人ひとりまったく違うため、ある人にはヨーグルトが、またある人には納豆が、よりよい影響を与えることがあるかもしれません。
マウントサイナイ医科大学(米国・ニューヨーク)老年医学・緩和医療科医師。米国老年医学・内科専門医、医学博士。
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