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妊娠中に飲まないほうがいい薬はある?

妊娠・出産の疑問をどこよりもわかりやすく、丁寧に解説!

更新日:

遠藤 周一郎
産婦人科専門医、医学博士。Ameba公式トップブロガー。

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妊娠中に飲まないほうがいい薬はある?

妊娠1〜4か月(0〜15週):妊娠中に飲まないほうがいい薬はある?

妊娠中には薬を飲むべからず!

そんな話が、ネットで、あるいは医療機関でもまことしやかに叫ばれているのですが、実際に絶対に飲んではいけない薬(胎児の奇形を誘発することが証明されているもの)は、実はそれほど多くはありません。

その中で、皆さんに身近で手に入りやすい薬として注意してもらいたいのは、痛み止めです。

非ステロイド性抗炎症薬のエヌセイド(NSAIDs)に含まれる成分は、胎児にとって重要な血管(動脈管)を塞いでしまうため、妊娠中には別の薬で対応するようにしましょう(アセトアミノフェンがよく使用されます)。

また、妊娠には腰痛もつきものなのですが、湿布薬の中にもNSAIDsが含まれるものがあるので注意してください。

他に、胎児奇形との関係が指摘されているのがビタミンAです。

市販サプリとしても手軽に購入できるし、実はレバーやうなぎにも多く含まれている栄養素です。

世の中、なんでも加減が大事ですが、適量で抑えるようにしましょう。

その他のリスクが高い薬は、専門分野で使われるものが大半となります。

困るのが、妊娠が判明したから薬を自己中断しました!という判断をされる妊婦さんです(結構多い)。

どんな薬にも、利益と不利益があります。その中で、有益性がどれだけ勝るかを各診療科の専門家が判断して、投薬しているのです。

薬によっては急にやめると持病が悪化してしまうケースもあるので、妊娠が判明した時は、まず担当医に相談するのが一番です。

自己判断は避けてくださいね。

それに加えて、近頃非常に危機意識を持っているのがダイエット効果が期待できるとされる薬です。

利尿剤や糖尿病薬がネット経由で入手できたり、オンライン診療で適用外処方されることも増えてきて、社会問題になりつつあるのです。

胎児が一番薬の影響を受けやすいのは妊娠4~7週の器官形成期という時期なのですが、これは生理が遅れているかも?くらいのタイミングです。

結果、妊娠に気づかずもっともリスクが高い時期にダイエット薬を内服してしまいましたと相談された経験が、私にもあります。

その薬が本当に必要なのか、そのまま妊娠しても後悔しないのかを、よくよく考えてくださいね。

どうしても不安な場合は、国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」に相談することもできますので、参考にしてください。

遠藤先生の

伝えたいこと

▸薬に不安がある時は必ず担当医に確認すること

▸国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」も参考に

遠藤先生からひとこと
ネットやドラッグストアで手に入る市販薬のほうがリスクが高いケースも多いです。
PROFILE

産婦人科専門医、医学博士。Ameba公式トップブロガー。

遠藤周一郎

「専門的な知識をとにかくわかりやすく!」をコンセプトに開設したブログが評判を呼び、2016年には産婦人科の知識をわかりやすくまとめた『妊娠・出産を安心して迎えるために産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと』(KADOKAWA)を出版。
小説家「藤ノ木優」としても活躍中。

「はじめてでもよくわかる 知っておきたい妊娠と出産安心BOOK」

著者名
遠藤 周一郎
出版社
 KADOKAWA

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