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睡眠を確保する最強メソッド!朝起きられない原因とは?

幼児~中高生、とくに小学生の睡眠にスポットを当てて、勉強にもスポーツでも最大限の能力を発揮でき、賢い子に育つ睡眠メソッドをご紹介します。とくに中学受験のための通塾などで睡眠時間の確保が課題となっているご家庭には必見の内容です!

更新日:

愛波 あや
乳幼児睡眠コンサルタント

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睡眠を確保する最強メソッド!朝起きられない原因とは?

「朝起きられない」に隠された意外な原因

これまでは眠くても朝は起きていたのに、急に朝起きられなくなった、ベッドから立ち上がるとふらつくなどの症状が見られるようなら、「起立性調節障害」の可能性も考えられます。

小学校高学年頃から発症が増え、小学生全体の5%程度が罹患し、中学生になると10%の子に見られるといわれています。

成長とともに罹患率が上がるので、中学受験の勉強に本腰を入れるタイミングと重なることもあります。

起立性調節障害は自律神経のバランスが崩れることが大きな原因です。

ちょうど高学年頃から男の子も女の子も体が急に大きくなり、背が伸びて神経も成長することで、自律神経のバランスが崩れやすくなるのです。

そのため、ベッドから起きる、立ち上がるなどの姿勢を変えた時に体や脳への血流が低下し、心拍数が過剰に増え、どうしても起床できないということになります。

また、もう一つの原因として勉強や受験のプレッシャー、習い事の比重が大きくなるなど環境の変化がストレスにつながることも考えられます。

起立性調節障害の特徴として、朝はだるさや頭痛、立ちくらみなどがあるのですが、お昼を過ぎる頃にはそれらの症状は徐々に改善してきます。

そのため、子どもが起床できずに学校を休むことが続くと(怠けではないのはわかっていても)ついしかりたくなってしまいます。

中学受験をはじめとするさまざまなプレッシャーは子どもだけでなく親にも同様にのしかかっていますから、その気持ちはよくわかります。

でも、ここはグッと堪えて「子どもも起きられず、勉強についていけなくなることに不安を抱えている」ということを理解してあげて、病院で診断と治療を受けましょう。

日常的なサポートとしては、水分を1日2ℓ程度とるように促すことが大切です。

体を巡る血液量を増やすため、水分不足にならないように意識しましょう。

ただ、水分をとることで血中の塩分濃度が低くなるため、塩分の調整も必要です。

1日3食食べていれば、1日に必要な量の塩分は摂取できますが、起立性調整障害の子は朝起きられないため朝食を抜く傾向があります。

一食分抜くことで、その分の塩分が少なくなるので気をつけましょう。

また、登校できないと子どもが自分の部屋にこもりがちになります。

そうするとベッドに横になる時間が増えてしまい、体が重力に抵抗する時間が少なくなり、自律神経の働きが鈍くなります。

リビングを子どもが入りやすい雰囲気にしてあげることで、部屋から出て体を動かすきっかけになります。

ほかにも、体が動くようになった午後にお散歩に一緒に行けば、夜の入眠もスムーズになり、睡眠サイクルが整い始めて症状が改善してくるはずです。

もう一つ、起きることができない原因に「鼻炎」があります。

これは私のクライアントの体験なのですが、お子さんの睡眠時間は足りているのに、どうしても朝起きることができず、日中も学校で眠ってしまい先生に注意されることも頻繁にあったそうです。

子どもは塾を終えてから夕食・勉強を済ませて22時をめどに就寝。

朝は7時に無理やり起こしているといいます。

9時間眠れているので高学年の睡眠時間の推奨範囲内ですが、それでも強い眠気に襲われるということでした。

そこでお子さんが寝ている時の様子を尋ねると「毎晩のようにいびきがひどい」ということがわかりました。

さらに話を聞くと、どうやらお子さんにはアレルギー性鼻炎があるということで、これが睡眠を阻害していることが判明しました。

近年子どものアレルギー性鼻炎の有病率は増加傾向です。

そして、この鼻炎のせいで空気の通り道である鼻の穴が狭くなり、十分な呼吸ができないため口を開けて呼吸をします。

そして口を開けると、舌がのどの奥に落ちてしまい、それがいびきや無呼吸を引き起こすため、睡眠時間は十分なのに、質の良い睡眠がとれず眠気に襲われてしまうのです。

また、歯並びや現代の子どもたちに多い下顎の形成不全といった歯科口腔外科的な問題も睡眠リズムに大きく影響を与えます。

どうしても起きられないという背景には、治療が必要なものもあるかもしれないということを覚えておいてください。

PROFILE

乳幼児睡眠コンサルタント

愛波あや

慶応義塾大学文学部教育学専攻卒業。
外資系企業勤務後、結婚を機に拠点をアメリカ・ニューヨークに移し、2014年に米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。
「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社)著者。「マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社)著者。
「ママにいいこと大全」(主婦の友社)監修。 IPHI日本代表。
Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。
現在、2人の男の子の子育てをしながら、企業やイベント講演、子どもの睡眠に悩む保育者のコンサルテーション等幅広く活動。特に、ママ・パパ向けに睡眠・子育て・教育についてなんでも質問に答え、情報を配信する『愛波子育てコミュニティ』は、同種のサービスとしては日本最大規模に成長中。
IPHIと提携し、オンラインで妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。

「忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠」

著者名
愛波 あや
出版社
 KADOKAWA

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