4万人の人生を変えた『自分軸手帳』のメソッド――他人軸から自分軸になることで起こる変化
時間や感情を書き出して「ありたい私」を取り戻す。誰かの「正解」をやめたら自分の時間ができた。4万人の人生を変えた『自分軸手帳』初の書籍。
生活/暮らし
「自分のことはいつも後回し……」そんな罪悪感や焦りを抱える親御さんへ。大切なのは、タスクをこなすことではなく「自分はどう生きたいか」という基準を持つこと。無理な頑張りを手放し、本当にやりたいことを実現するための時間を生み出す習慣術。
一番ケ瀬 瑶子さん著書『「やるべきこと」に追われない 自分軸習慣』から一部転載・編集してお届けいたします。
他人軸から自分軸になることで起こる変化
私たちは社会の中で、たくさんの顔を使い分けています。
それは、場面に応じた仮面をかぶるようなもの。
良い親の顔。真面目な従業員の顔。良き妻、良き夫の顔。
どれも自分だけれど、時々これは自分軸で選んだ顔なのか、他人軸で周囲が求めている姿を演じているのか、境目がわからなくなることがあります。
自分軸で生きるようになり、役割という仮面を少しずつ外していくと、世界はまったく違って見えてきます。
「こうあるべき」という、どこまで行っても及第点が取れないような息苦しさから解放され、時間を自分の意志で使う「自由」が手に入ります。
また、波風を立てないように空気を読むのではなく、心が通う人たちとだけ関係を育む充足感も生まれます。
そして、他人と比べて焦るのではなく、昨日より成長した自分自身に夢中になれる、「今、自分の人生を生きている」という濃い実感を得られるようになります。
「自分軸」と「わがまま」の違い
「自分軸」で生きると、自分のことばかり優先する「わがまま」になるのではないか?と懸念される方がいます。
もしかしたら過去にわがままな人に振り回されて、嫌な思いをした経験を持っているのかもしれません。
結論からいうと、「自分軸」と「わがまま」は、まったく違うものです。
「自分軸」とは、自分の価値基準(好き、嫌い、本当はどうしたいか)を自覚し、自分の行動を自分で選んでいる状態のこと。
そこには、「時として、自分の希望よりも他者の希望や状況を優先することを選ぶ」ということも含まれます。
自分の意見を押し通すことだけが自分軸ではありません。
「今は、あえて相手に合わせよう」と自分で納得して選んでいるのなら、それも立派な自分軸です。
自分軸で生きるからこそ、相手と意見が違っても、「私はこうしたい。あなたはそうしたいのですね」と、互いの違いを尊重することができます。
一方、「わがまま」とは、自分の思い通りに物事を進めようとするなど、自分の利益だけを優先し、他者への尊重や配慮が欠けた発言をしたり、態度をとったりすることを指します。
日本の文化では、調和や謙遜が大切とされ、「自分の意見を言う=わがまま」と拡大解釈されやすい側面もあります。
しかし、個人の意見があることと、他者への配慮を欠くことは異なります。
自分軸で生きることは、わがままになることではありません。
むしろ、自分自身を大切にできるようになり、他者を尊重できるようになりますので、安心してくださいね。
自分軸で生きると、人とうまくつながれる
自分軸とわがままは違うとお伝えしましたが、実は他人軸で我慢している状態のほうが、人間関係にひずみが生まれやすくなります。
自分が「こうあるべき」という「外側の声」に引っ張られて無理や我慢を重ねていると、無意識のうちに他者にも「こうあるべき」を求めてしまいます。
「私がこんなに我慢しているのに、あの人が自由に振る舞うのは許せない!」と、他人に敵意を向けやすくなってしまうのです。
あなたが自分を大切にする姿勢は、周囲の人々にも良い影響を与えます。
自分の子どもや若い世代、職場の後輩に対して、「感情を押し殺して、他人の期待に応えるために自分を犠牲にして生きてほしい」と願う人はいないはずです。
自分軸で生きることを選んだあなたの姿は、周囲の大切な人たちに「私たちは、自分を大切にしていいんだよ」と背中で伝える、何よりのメッセージになります。
「自分と向き合う」と生きやすくなる
自分の判断基準を、外側から内側に取り戻していくためには、自分と向き合うことが大切です。
自分と向き合うことで、「外側の声」に引っ張られがちな意識を自分の内側に向けることができるようになります。
「自分と向き合う」と聞くと、しんどくて怖いことだという印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし本来それは、自分のできていないところを見て反省するためのものではなく、自分の心と仲良くなり、生きやすくなるための行動です。
「波風を立てないように」「置いていかれないように」と、「外側の声」に駆り立てられがちな意識を自分の内側に向けていきましょう。
「今、どう感じているんだろう?」「なんだかモヤモヤするけど、何にモヤモヤしているのかな」と自分に問いかけて、心の内側に流れている言葉に耳を傾けてみましょう。
本当は何が好きで、何が嫌なのか。
どういうときに心がすり減り、どういうときに伸びやかに振る舞えるのか。
そんな自分の小さな心の動きに、自分で気づくための作業が、自分と向き合うということです。
紙やノートに書いて頭の中の「内側の声」を外へ出す
では、自分と向き合うために、具体的に何から始めればいいのでしょうか。
頭の中で「私はどうしたいんだろう」と考えようとしても、私たちの頭の中には普段から「こうあるべき」「もっとちゃんとしなきゃ」という「外側の声」がつねに流れていて、小さな「内側の声」はかき消されてしまいがちです。
だからこそ、紙やノートに「書く」ことが有効です。
頭の中の「内側の声」を取り出して文字にする。文字にすると、「そのときの自分」を、時間も距離も置いて見ることができるようになります。つまり、客観的に自分の素顔を観察できるようになるのです。
いつも役割に合わせた「仮面」をつけて、他人の期待に応えていると、自分の本当の姿が見えなくなります。自分の素顔を知らないままだと、私たちは知らず知らずのうちに無理をして、心をすり減らしてしまいます。
自分の「心地よさ」や「苦しさ」の基準がわからないと、目の前に「世間の正解」や「期待される役割」が現れたとき、それを正解だと思ってしまい、合わせようとしてしまいます。そして、その型にうまくはまれずに苦しくなったとき、「私の我慢が足りないからだ」「私の努力不足だ」と、自分自身を責めて傷つけてしまうのです。
私はここ数年、手帳を使って自分と向き合う習慣を日常的に持つようになりました。
以前は、「頭の中は同時多発会議」「いつも暴風雨」という、にぎやかな状態でした。
当時、頭の中に吹き荒れていたのは、「今日の晩ごはん、どうしよう」「もうすぐ育休から復帰するけど、私は大丈夫なのかしら」「あーあ、あんなこと言わなければ良かった」「あのママ友、スリムだな。うらやましいな」「子どもは3人目を望む?望まない?」「夫は、今日もまた仕事で遅いのかな」「あっ、このブログ読んでおきたい」「あれもやりたい、これもやりたい」……。
未来への不安、過去への後悔、他人との比較や他人からの評価、自分の衝動などが、ごちゃごちゃのまま頭の中をつねに駆け巡っている状態でした。
自分と向き合う習慣を持つようになってからは、人生でいちばん心が穏やかで落ち着いた毎日を過ごせています。
うれしいことがあったときは手帳に書き、何がうれしかったのか、自分にとって大事な要素は何なのか、それをまた味わうためにはどうしたらいいのかを考えるようになりました。
モヤモヤしたときには、「なんだかモヤモヤする」と書いて、自分が今何にモヤモヤを感じているのかを見つめるための時間を持つようにもなりました。
そして、他人の期待に応えることや、誰かの真似をして消耗することが少しずつなくなり、毎日の中に「自分らしさ」が増えていったのです。
運営しているコミュニティで同じように手帳で自分と向き合っている方たちからは、
「自分のことがわかるようになった」
「今までSNSで探していた自分の『好き』の答えは、自分の中にあったんだと気づいた」
「『がんばってるじゃん、自分!』と思えるようになった」
などの声が届いています。
自分と向き合うと、自分の扱い方がわかる
自分を知ることは、自分を守るだけでなく、自分を「満たす」ことにもつながります。
自分が何に喜びを感じるのかを知っていれば、「世間の正解」を追いかけたり、他人の真似をしたりする必要がなくなります。
世間で「疲れたときのごほうびといえば、おいしいスイーツ」といわれていても、自分の喜びのスイッチがそこになければ、お金や時間を使っても心は満たされません。
「1人で静かに手帳を書く時間が好き」「筋トレで昨日より重いものを持ち上げ、成長を感じるときがいちばんうれしい」。
そんな自分だけの「好き」を知っていれば、誰かの「正解」にとらわれることなく、本当に自分が満たされる選択ができるようになります。
このように、自分と向き合うことは、自分を生かすことにつながります。
自分と向き合ったときに心の中にネガティブな思いが浮かんだとしても、「こんなことを思ってはいけない」「自分が至らないからだ」などと自分を否定せず、自分が感じていることをただ受け止めてあげてください。
自分がどう思っているかを知らなければ、自分をどう扱ったらいいのかもわかりません。
たとえば、私は長時間人と一緒にいたり、大勢の中にいたりすると疲れやすく、1人の時間がないと息苦しくなるタイプです。
そのため、旅行中でも意識的に5分でも10分でも1人の時間をとると、結果として人と楽しく関わることができます。
家族旅行中や帰省中に、「せっかく旅行に来たのだから、ずっと同行者と楽しく過ごすべきだ」と自分を縛ると疲弊してしまい、かえって楽しく過ごすことができません。
こうした「自分の取扱説明書」のようなものは、千差万別です。
では、それを見つけるために、何から始めればいいのでしょうか。
「時間」を手がかりにする
私にはじめて「自分と向き合ってみよう」と手帳を開き、「やりたいこと」を書いたときのことです。
そこには、「ポートフォリオ・ワーカーになる」「時間と場所に縛られずに働く」という、当時流行っていた本や働き方に憧れて書いた言葉がありました。
「かわいい奥さんになる」と、自分にないものを足そうとしている言葉もありました。
このとき書いた言葉によって自分の日々が変わっていったので、意味がなかったとは思いませんが、今振り返ると、「自分がどうしたいか」というより、「外側の声」に影響された言葉だったなと思います。
「自分と向き合う」というのは、多くの人にとって、おっくうで慣れない作業です。
紙とペンを取り出して「いざ向き合おう」と思っても、不意に家事やタスクを思い出して、その場を離れてしまったりすることも。
気を取り直してなんとか書き出してみても、出てくるのは「穏やかな毎日を過ごしたい」といったぼんやりした言葉や、どこかで聞いたことのある言葉ばかりで、「これを書いて何になるんだろう」と、ペンを置いてしまうこともあるかもしれません。
それは、あなたの感じ方が浅いとか、向き合い方が下手だということではありません。
手がかりのない白紙のノートに向かって、「私は、本当はどうしたい?」と考えるのは、誰にとっても難しいことです。
そこで、本書では「時間」を手がかりに自分と向き合うことをおすすめします。
いきなり「自分はどうしたい?」と自分に問いかけるのではなく、「何に時間を使ったか(行動)」と「そのときどう感じたか(感情)」という、地に足のついた事実からスタートしましょう。
壮大な理想を描く必要はありません。
自分が実際に過ごした日々の小さな違和感や喜びを手がかりに、自分と向き合うことを始めてみてください。
「外側の声」に引っ張られる前に、まずは嘘のつけない「時間のログ」から、自分の心と仲良くなるヒントを探し始めてみましょう。
時間=行動+感情
あなたは今日どんな1日を過ごしましたか?
朝にこの本を読んでいる人は、昨日はどんな1日だったでしょうか。
どんな感情を味わい、何を考え、幸せを感じた瞬間はどういうときだったでしょうか。
逆に、本当は嫌だったのにやり過ごしたことはあったでしょうか。
そう聞かれると、多くの人は「覚えていない」と答えます。
やるべき家事や仕事のタスクは意識していても、それをしているときの自分がどんな気持ちで、どう考え、何を選択したのか、ほぼ意識しないまま過ごしている人が多いのです。
それほど、私たちは自分の内側に意識を向けずに毎日を過ごしています。
意識の大半を占めているのは、次々に湧いてくるやるべきことや、知っていると得をしそうなお役立ち情報、知らないと時代に取り残されそうな最新情報など、SNSや広告が増幅させる「外側の声」ばかりです。
しかし、自分が過ごしてきた時間を丁寧に見直していくと、自分がどんな行動を選び、そのとき何を感じていたかが見えてきます。
「朝バタバタして、また子どもに怒鳴ってしまった。本当はもっと余裕を持って笑顔で一緒にいたいのに」
「なんで私ばっかり、と思いながら残業を引き受けてしまって嫌だった」
「いつも食事づくりに追われるのがしんどい・・・・・・」
など、自分の「内側の声」が聞こえてくるようになります。
自分と向き合うときに、「過ごした時間(=行動)」を手がかりにすると、思考のノイズや「外側の声」を強制的に削ぎ落とすことができるのです。
頭の中だけで「私はどうしたいんだろう」「何に悩んでいるんだろう」と考えていると、どうしても「世間の正解」や「こうあるべき」という外側の声が混ざり込んできます。
まだ起きていない未来に対する不安や、誰かからの評価が気になって、考えれば考えるほど本音から遠ざかっていく。
そんな経験をしたことはないでしょうか。
でも、「今日、何をして、その瞬間どう感じたか」は、「外側の声」が入り込むことのない事実です。
頭の中をぐるぐる回る「こうあるべき」をいったん横に置いて、「実際に起きたこと」と「そのとき感じたこと」という確かなものを手がかりにして、自分と向き合いましょう。
そうすることで、「外側の声」に引っ張られることなく、自分の「内側の声」に近づいていくことができるのです。
私の時間の見える化と、そこから生まれた変化
人生とは時間の積み重ねだと私がはじめて気づいたのは、「時間の見える化」をしたときでした。
そのころの私は自分の24時間を驚くほど無自覚に使っていて、「思っていたのと違う・・・・・・!」と愕然としたのです。
まず、時間がないと思っていたのに、昼休みを含めると自由に使える時間が1日に4時間もあったこと。
そんなに時間があるという実感はなかったし、うまく使えている感覚がないどころか、何に使っているのかさえ自覚できていませんでした。
私の課題は、時間がないことではなくて、「自分が何をしたいのかがわかっていないこと」でした。
さらに、平日は子どもと過ごす時間は朝2時間、夜3時間の5時間しかないこと。
1日のうちでたった5時間しか一緒にいられる時間がないのに、私は子どもといるときにも隙あらば自分のことをしようと虎視眈々としていたし、朝はガミガミと急かし、夕方の保育園のお迎えはいつも遅れていました。
そして仕事時間は、優先順位をつけずに、飛び込んできたタスクやメールに次々と反応し、会議の時間が来たら慌てて会議室に移動、という過ごし方をしていました。
場当たり的に仕事をしているので、毎日仕事時間が延びてしまっていました。
私の1日は、外側からの刺激に反応して「こなす」ことで埋め尽くされていたのです。
時間の見える化は、「やることに追われて時間がない!」と思っていたときには見えなかった気づきにあふれていました。
自分の時間をうまく使えていないという感覚。
そもそも時間があったとしても、何をしたいのかが明確ではないという気づき。
今の子どもとの過ごし方、仕事時間の使い方に対して、「こうじゃない」と感じること。
逆にいうと、「こうしたい」という理想の過ごし方が、この時点では見えていませんでした。
時間の見える化をすることで、「違う、こうじゃない。このままではいたくない」という違和感を持つことができました。
それが、「私はどうしたい?」と自分を主語にした変化のスタート地点になったのです。
いきなり24時間全部を変えようとする必要はありません。
0か100かという選択ではなくて大丈夫です。
「家族を大切にしたい」と言いながら仕事に追われているからといって、いきなり仕事を辞めなくていいし、「1人の時間が好き」なのに、毎日予定を詰め込みすぎている自分を否定しなくていいのです。
1日の中で、15分でも「自分で選んだ時間」を増やしてみる。たったそれだけで、自分の人生を自分で動かしている感覚が生まれます。
この成功体験を持てると、「自分で選んだ時間」が増えていきます。
そして、その感覚が積み重なると、「私は自分の価値観に沿って生きている」という確信につながっていきます。
自分軸手帳合同会社代表。
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