失敗させない?自己肯定感を高めるコツ
世界初!?「子ども目線」による褒め方と叱り方のコツ#02
しつけ/育児
このような習慣は、「エラーレストレーニング」と呼ばれています。「失敗させないように学習させる」という意味です。
「トライ&エラーで学ぶ!」「失敗からこそ学べるんだよ!」という言葉が一般的には言われますが、失敗から学ぶというのはすでに成功体験を持っている人、自己肯定感が強い人ならではの考え方であり、誰にでも通用するわけではありません。
特に小さい子どもや障がいを持った子ども、自信がない子どもにとっては、「チャレンジしてどんどん失敗しよう」という言葉は、通用しないどころかプレッシャーとなってさらに恐れを招く可能性もあるので注意してください。
失敗やネガティブな経験・記憶を忘れることが苦手な子どもたちもたくさんいて、大人から見ればちょっとした失敗でも、本人にとってはとんでもない失敗として記憶している場合もあるのです。
私の印象では、一度でも失敗すると、次のチャレンジを嫌がる子のほうが圧倒的に多いです。
それは「根性がない」などの問題ではなく、本能的に身を守るために「リスクを避ける」行動をとっているからなのです。
ですから、初めてのチャレンジに対して失敗体験はなるべくさせないよう課題のハードルを下げ、成功させて、褒めて伸ばす方法をおすすめします。
たとえばズボンを自分ではけない子どもであれば、ひざ上あたりまでズボンを持っていってあげて、そこから自分ではいてもらいます。
すると、「ズボンをはく」という課題は成功します。
このように、課題のレベルを低くするのです。
自転車を例にとれば、いきなり自転車に乗せるのではなく、最初は補助輪をつけてあげる、またはランニングバイクから始めてもらうことでバランス感覚をつかんでもらってから自転車に移行していきます。
特に幼児期は、課題レベルを低くしてでも「チャレンジしたら成功した!」ということをたくさん経験させたほうがものごとの上達が早くなります。
そうして自信がついていったあとで初めて「失敗から学ぶ」ということができるようになるのです。
ポイント
簡単なことでも、まずはうまくいった!と感じることが大事です。たくさん成功すると自己肯定感は高まります。
社会福祉法人みずものがたり理事・おへそグループ統括園長。公認心理師・保育士・幼稚園教諭・中学高等学校教諭。
5歳の時交通事故で父を亡くし、母に3人兄弟の真ん中として女手一つで育てられる。
同じ時期に空手を始め、そこで出会った空手の師匠に多大なる影響を受ける。高校ではメキシコ合衆国へ1年間留学し、大学時代に乳幼児教育に興味を持ち、保育コンサルティング会社に入社。
約1年半の間に50施設以上の保育園設立や運営に関わりながら乳幼児教育を学ぶ。
2010年に保育園設立を検討していた佐賀の地元企業の社長と出会い、その教育への思いに共感。地元に戻り、2011年25歳で認可外保育所「おへそ保育園」園長に就任する。その後認可化し、現在はハンディキャップを持った子どもたちも含め、園庭を共有する形で0歳から12歳までの子どもたちが共に過ごしている。
開園当初より取り組んでいる「国際理解教育」が評価され、2015年JICAグローバル教育コンクールにて最高賞である理事長賞を受賞。2022年環境省「グッドライフアワード」実行委員会特別賞受賞。子ども向けの「哲学対話」を日本で初めて保育に導入するなど、保育内容においても評価されている。
現在、小規模保育所「おへそ保育園」・幼保連携型認定こども園「おへそこども園」・企業主導型保育所「おへそつながり」・児童発達支援施設「おへそこども学園」・放課後学童クラブ「おへそ学道場」計5事業を統括する園長として働くかたわら、空手指導・執筆・講演活動の他に、一男一女の父として子育てにも奮闘中。
https://naokiyoshimura.com/
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